Ohuhu イラスト講座
セーラー服の塗り方
前回、前々回の講座では、目や髪などキャラクターの塗り方についてご紹介しました。
今回は、Ohuhuマーカーペン120色セットを使って、セーラー服を塗ってみたいと思います。
アルコールマーカーで服を塗ることは、慣れないと少し大変です。
本講座では、グラデ塗りの他に三角塗りも取り入れて、簡単に洋服ならではの質感を出していますので、ぜひお試しください!
使用する色
セーラー服のスカートと襟に使用した色です。
青で爽やかにまとめたかったので、PB5 / PB2 / PB1 / BG3を選びました。紺色を中心としたグラデーションが作れる組み合わせになります。
BG3は、肌に使ったR18と合わせて、白いシャツの影色にも使っています。
Y3 / Y1はセーラー服のスカーフに使用した色です。黄色にするか赤にするか迷ったのですが、前回の講座では制服のリボンを赤色にしたので、黄色を選びました。
CGⅡ00はスカーフの影色として使用しています。
R18 / YR4
今回、肌の色はR18とYR4で塗ってみました。
たった2色でも、YR4で塗った後にR18を伸ばすように塗っていくことで、奥行きのある肌を表現することができます。
Ohuhuマーカーペンを使ってセーラー服を塗っていく
今回の線画です。セーラー服を着た黒髪ロングの女の子を描きました。
服以外は予め着色していますが、前回までの講座でご紹介した塗り方を使っていますので合わせてご覧ください。
①白いシャツの影を塗っていく
まずはセーラー服の白いシャツの影を、BG3で塗っていきます。光の当たる白い部分を残しながら、影になる部分だけを払うようにして筆先で塗ります。
セーラー服を紺、髪のインナーカラーは水色で入れているので、影にも青系統の色を持ってきました。
このように、影には他のメイン部分と同系統の色を使うと、全体的にまとまりのあるイラストになります。
BG3の一色だけだと、色の情報量が少なく単調なイラストに見えてしまいます。
ここでは、R18を服の縁などに少しだけ差し色として取り入れることにしました。
R18を馴染ませるように塗った後、RG3で塗り拡げていきます。
ランダム感を出すため、筆跡が残るような感じであえてざっくりと塗っています。
R18をところどころ足していき、0(ブレンダー)でなじませます。
ブレンダーを使用すると色が多く抜けてしまうことがあるため、前回までの講座ではなるべく使用せずに着色していました。
今回は白い服の影を塗っており、色が濃すぎると不自然になってしまうので、ブレンダーで色を抜きながら塗り進めます。
服の質感の出し方に悩まれる方も多いと思いますが、そんなときは三角形に塗ることを意識してみてください。
具体的なやり方ですが、まず大雑把でいいので三角形を作るような感じで色を塗ります。
そして、ブレンダーで三角形の頂点と底辺(赤い丸の部分)をブレンダーでぼかします。
このとき、青丸で囲んだ部分はぼかさないように注意してください。三角形が乾いたら、少し位置をずらして同じ様に三角形を作って塗っていきます。
境界がはっきりしている部分(青丸)と、あいまいな部分(赤丸)が重なっていくことで、簡単に洋服の質感を出すことができます。
三角塗りを重ねたものがこちらになります。今回はブレンダーも使っているので、水彩のように滲んだ描写となりました。
また、差し色としてR18も使っているので、RG3のみで塗るよりも面白い表現になったかなと思います。
この段階で影が濃く見えても、明らかに不自然なもの以外修正は不要です。
他の部分の着色を進めたときに、色が馴染んでいき不自然さが消えることが多いためです。
②スカートと襟を塗る
次にスカートを塗っていきます。ふわっと広がるスカートで、動きが見えるようにしたいので、着色も工夫していきます。
まずは一番濃い青、PB5でスカートの影になる部分をザクザクと塗ります。
PB2の上からPB1を重ねていきます。PB2とPB1は明度に差があり、一回の着色では綺麗にグラデーションが作れません。(上記の画像でも、PB2とPB1の境目がハッキリと分かると思います)
何度かPB1を重ねることで色が馴染みますので、2-3度塗るようにしてください。
スカートを塗り終わったら、セーラー服の襟元を塗っていきます。
こちらもスカートのときと同じように、濃い色から順に塗っていきます。
スカートの中も塗ります。本来であれば暗い色を持ってくるのですが、スカートが濃い青なので、コントラストを出すため明るい色(PB7)で塗りました。
PB5の上にPB2を重ねます。PB5になじませるように色を置いていきます。
ここでも、スカートのシワやプリーツの境目に沿って三角形を作るイメージで塗っています。
更にその上にBG3を重ねます。スカートのプリーツの上、光があたっている部分になります。
この手順で、他のプリーツも塗っていきます。
綺麗にグラデーションが作れなくても、イラスト全体を引いて見たときはあまり目立ちません。気にせずにどんどん塗っていきましょう。
細かい作業になるので、筆の先を使って慎重に塗っていきます。
顔の周辺が明るく見えるよう、グラデーションを作っていきます。
スカートの先に当たる部分は、BG68で塗っています。
PB7だけでベタ塗りするよりも、軽やかな印象のイラストになります。
スカートとセーラー服の襟を塗り終わりました!
濃い色が入ったことにより、全体的に引き締まった印象になっています。
スカートはプリーツごとに塗っていくことで、乾きの早いアルコールマーカーでも焦らずに塗り進めることができます。
③セーラー服のスカーフを塗る
セーラー服のスカーフを塗っていきます。まずは中心にY1を使います。
Y1とCGⅡ00を使って、影になる部分を塗ります。合わせて、襟のラインも塗りました。
周辺をY3で塗ります。Y1とY3は明度だけが違うため、グラデーションが作りやすい組み合わせです。
これで着色はすべて終わりです!
ハイライトを入れる前に、一旦イラストを引いて見てみて、着色に不自然なところが無いかを確認します。スマホで写真を取って確認するのも良いでしょう。
④仕上げをして完成!
最後に、アクリルガッシュの白でハイライトを入れます。
上で触れられませんでしたが、肌の影にはBG3とCGⅡ00を使用しています。
青を基調とした、爽やかなセーラー服の女の子が完成しました!
今回は青を使ってスタンダードなセーラー服の女の子を描いてみました。
Ohuhuマーカーペン120色セットはグレー系の色も多いので、CGⅡ09 / CGⅡ08 / CGⅡ04で黒いセーラー服を表現するのも良いかもしれません。
ぜひいろいろな色の組み合わせを試してみてくださいね♪
(文・写真 / しんせつなペイト)
しんせつなペイト
会社員のかたわら画材に関するブログ『ペイトのすすす。』を運営。透明水彩やアルコールマーカーなど、画材全般についての情報を発信中!